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ペットホテルでの事故を防ぐには...

【北海道で起こったペットショップ火災から考えるペットホテルでの事故】

2016年4月28日痛ましい事故が起きてしまいました。午前7時半ごろ、札幌市西区にあるペットショップ「ビバリー」から出火し、木造2階建を焼いた火事で犬約40匹が命を失いました。札幌西署などによると、出火当時、店は営業前で従業員はいなかったが、店内には約50匹の犬がいて、約10匹が救助されましたが、同店舗には販売用のほか、有料で預かっていた犬もいたそうです。

情報元:http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0264602.html

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事故が起きた同店舗のHPの①紹介文からは「創業10周年を迎えた信頼と実績のあるペットショップです。JKC公認A級トリマーJKC公認ハンドラーも在中でワンちゃんのトータルケアもお任せ下さい。各種保険や飼育サポートやシャンプー指導などお買い上げ後のアフターサービスも万全です。 主に自家繁殖小型犬仔犬が多数 お待ちしてます」

などと書かれており、非常に優秀なスタッフがいると書いてありますし、②同店HPでのホテルに関する部分には飼主様がお留守の間、家族の一員であるワンちゃんネコちゃんを清潔で安全な環境でお世話させて頂きます。昼間は店員の目の届くスペースに夜間は店長の住居スペースに過ごしていただくため、寂しくありません。朝晩のお食事・散歩はもちろん、ストレスが溜らないようできる限り触れ合いとコミュニケーションを大切にしています。と、日中も夜間も目の届く場所にいるような記載があり、飼い主さんたちは安心して預けてお出かけをしていたかと思うととても残念で心が痛みます。第1種動物取扱業も登録済み、優秀なスタッフに管理された状況にあると店舗側がHPに記載している一方で、事件のあった当日は店舗は営業前で無人であったという矛盾がありました。GW前ということもあり、ホテルを利用する人は普段より多かったのではないでしょうか。

この店舗で約50頭のペットたちを何名のスタッフでどのように管理していたのか、今となっては疑問が残ります。朝晩2回の食事に散歩、排泄の処理、1日通して丁寧に面倒を見られるだけの余裕があったのでしょうか。表面的にも法的にも優良店舗であったかもしれませんが、沢山の命を預かる上で、無人である時間帯があることを飼い主さんにお伝えせず、預かっていたとしたら....飼い主さんは何を信じて良いのかわかりません。

情報元①:http://trimming-fan.com/hokkaido/hokkaido03/hokkaido08_05.html

情報元②:http://beverly.boy.jp/trim.htm

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私たちがペットと暮らしていく中で、家族が病気になったり、冠婚葬祭、海外出張、旅行などどうしてもペットを連れて外出できない場合、預かってもらうのが「ペットホテル」ですが、

時として、ホテル側が事前に飼い主さんに説明、契約している内容と実際は異なることは残念ながら「よくある」ようです。顧客から預かった犬猫たちが脱走、行方不明や死亡事故が起き、裁判沙汰になっているものの、個別訴訟になっており表面に出てこない、もしくは飼い主が泣き寝入りをし、うやむやになっているだけで、実際には事故が起きている事例があります。


①【第一種動物取扱業の登録・標識や名札(識別票)を確認しよう】

人間が泊まるホテルには旅館業法というがありますが、動物相手の「ペットホテル」になると第一種動物取扱業者という登録をしていることでペットホテルを営業できるようになります。

現在の動物愛護法以前から犬の訓練を行っている人や個人でペットホテルを経営しているところは第一種動物取扱業者の登録を行っているか確認しましょう。ホテルの運営には「標識や名札(識別票)の掲示」が必要ですのでまずは誰がこのホテルの責任者であるか、ホテルのわかりやすい場所に登録番号の掲示がしてあるかを必ず確認しましょう。

ホテルを経営している人が「昔からやって(営業して)いるから」とか、「うっかり登録をし忘れた」というのはまず、プロとして失格です。第一種動物取扱業者は命あるものである動物を扱うプロとして、より適正な取り扱いが求められています。

年配の経営者でいわゆる「老舗」といわれているような、古くから動物取扱をしている人たちの中には、「昔からやっているのでそのまま営業許可を取らずに営業を続けている」という方もいまだいらっしゃるようです。また、長く店舗を利用している顧客もわざわざ、営業許可を確認することなどもしない人も多いようで、大きな事故やトラブル、従業員からの告発さえ起きなければ、まず、無許可営業や悪質な営業実態が外部に漏れ、保健所に通報されることもありません。

第一種動物取扱業者登録は以前、規則も緩いものでした。しかし動物を取り扱う業者の虐待が目立つことから平成25年9月1日より法律の一部が改正され、罰則が厳しくなりました。


②【動物の管理の方法や飼養施設の規模や構造などの基準を守ることが義務づけられています。】

いまは法改正が行われ飼養施設等の構造や規模等に関する事項、飼養施設等の維持管理等に関する事項などが適用され、ペットホテルとしての適切な空間と広さの確保、給餌季語や遊具など必要な設備の配備、1日1回以上の清掃の実施や動物の逸走防止などが義務づけられています。この基準が守られていないと都道府県等の動物愛護担当者が立入検査を行い、管理や施設が不適当と思われた時は都道府県知事、政令市の長から改善の勧告や命令が下され、悪質と思われる業者には登録の取り消しや業務停止命令が行われます。また登録せずに営業を行った場合、改善命令や業務停止命令に従わなかった場合は100万円以下の罰金が課せられます。しかしながら、表に出なければ全くわからないままで終わることが多いので、いくら法律ができたとはいえ、店舗側の改善にはつながりません。


③【動物を扱う業者に取って何よりも怖いのは内部告発と口コミ!】

営業許可を取っていない、実際の動物の扱いが酷い、など顧客や従業員からの内部告発が行われると、とたんに店舗の売り上げに影響がでます。さらには保健所に通報されると、立入検査や行政処分が下されます。複数回通報され、改善がみられなければ、やっと行政処分が行われるのが実際のところですが、泣き寝入りをする前に店舗のある地域の保健所に相談をすると良いでしょう。


④【事件を風化させない】

また、こうした悲しい事件や事故が起きたことを風化させず、店舗側も利用する側も教訓として、こうした悲しい事故が二度と起こらないよう、再発防止に努めることが大切だと思います。顧客から注意されたり、厳しいバッシングを受けたり、口コミを書かれたり、行政に指導されると営業に支障があると反撃する店舗もあるようですが、事件・事故が起きてしまったことを素直に反省し、改善すべきところを改善し、健全な経営ができるよう努力することが必要ではないでしょうか。


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実はこの記事を書いている私自身も、数年前、訓練士の自宅で、預けている犬を亡くしたことがあり、裁判の末、訓練士がやっと謝罪と慰謝料に応じたという経緯を経験したことがありました。当時、有名な愛犬家仲間の紹介ということ、TV出演や本の出版をしているということ、「ホテルのようにゲージに入れっぱなしにしません」という物腰の柔らかい訓練士の言葉をすっかり信用してしまい、大切な愛犬を預けたのですが、死亡事故が起きてから調べたところ、長期間にわたり、無許可で自宅でホテル営業を行っており、その環境はとても犬を預けるような場所ではなかったことが後にわかりました。犬を預けた私自身の責任でもあり、いまでもこのことは重く受け止めており、それからというもの、大切な家族に対する思いや利用する店舗選びは慎重になりました。事前にしっかり調べていればこんなことにはならなかったと後悔し、自分を悔やみました。そして愛犬に対していまだに申し訳ない気持ちを教訓として刻み付けています。

愛する家族であるペットたちにはホテルを選ぶ選択肢はありません。

飼い主である私たち人間が責任を持って事前に実際の店舗でのチェックや口コミ確認を行いましょう。


by: 東京犬猫日和 Emi Sekiguchi

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