〜小学生からのメール〜
動物、環境問題に取り組む小学生たちのいま
LIA(Life Investigation Agency)×Aoba Japan Internatoonal school

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「私たちは今、水族館に閉じ込められている、食べられたり、物扱いされているイルカやクジラのことを助けようと調べております。ご存知の通り、この問題はあまり世間に知られていないのでNGOがあまり見つかりませんでした。そこでLIAが水族館のイルカはかわいそう、ということが書いてあったのでぜひお話を聞かせていただきたいと考えております。」

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一通のメールが、国際NGOLife Investigation Agency (LIA)宛に、都内インターナショナルスクールの小学生たちから届いた。国際NGO LIA とは、ヤブキレン氏が代表を務める2010年に設立された日本では極めて数少ない、自然環境、野生動物、愛頑動物、動物虐待に対する調査、告発、啓発運動を行う団体である。何度か動物虐待の告発を行う団体として、東京犬猫日和でも紹介してきた団体だ。

ここ数年、「命の授業」「動物愛護教室」を何度か取材してきたが、こうした「命の授業」は、多感なこども達にとり、重要な役割を担っているように感じられたため、今回も学校の許可を得て、私たちはこの授業の取材させてもらった。

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東京都内にあるAoba Japan International School(以下、A-JIS)は、国際バカロレア(IBO)が提供するミドルイヤーズプログラム(MYP)を実施する学校として、現在社会が抱える格差や貧困による食糧問題、世界的な環境問題、生命科学や宇宙の神秘などあらゆる事象に関心を持ちその原因や解決方法を考え、そのために科学的で合理的な方法や理論によって問題の本質を解析するという探求型の教育を行っており、その教育の中で、今回、Grade3.4(8-10歳)の生徒達自身で「イルカやくじらの問題」にフォーカスをあて調査を行っていた。日本で言えば小学3,4,5年生にあたる。

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2018年6月、LIAが独自に行ってきた5年間にわたるイルカ・クジラの現地調査レポートの中から、世界一、イルカを生体販売している和歌山県太地町でのイルカ猟をもとにした授業が、生徒達の司会進行で始まった。

8−10歳という年齢には少々ショッキングな映像・内容ではないかと思えたのだが、事前に自分たちでイルカ・くじら猟について勉強していた生徒たちは、想像以上にしっかりと現実に向き合っている様子が伺えた。LIAが提供している映像は、水族館で芸を行うイルカたちがまさに「捕獲」されている現場だった。命の選別はその場で行われていた。

イルカたちは群れごと入り江に追い込まれ、逃げられないよう網で囲まれる。子どもたちの中から「ジャンプして逃げればいいのに!」という声があがった。LIA代表のヤブキ氏によると、こうして囲まれたイルカたちはパニック状態にあるため飛び越えられるはずの網も飛び越えられないのだという。

世界中の水族館に売るためのイルカと、食べるためのイルカに振り分けられる現場。イルカの群れを一網打尽にし、その中から殺すイルカと売るイルカにわけるのだ。

芸を教えやすい「子どものイルカ」は真っ先に捕まえられる。子どものイルカの周りをグルグルと守るようにして回る母親のイルカ、仲間のイルカが見受けられ、イルカたちの絆の深さを感じるが、無残にもその家族は引き離された。そして、生簀の中にほとんどイルカがいなくなった時、その生簀の中に逃げ切り、生き延びたイルカいた。そのイルカは生簀から逃がされ、海に返された。

「海に返された」と聞いて、生徒たちがホッとしたのもつかの間、そうして生き残ったはずのイルカは、後日、海岸に打ち上げられているのが確認された。

▲仲間が一網打尽にされ、命からがら逃げきったイルカは大きなダメージを心身ともに受け、生き延びられたはずなのに命を落としてしまったのだ。

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ちなみに「太地町立くじらの博物館」では2017年〜2018年の1年間で飼育していた「スジイルカ」や「シワハイルカ」「マダライルカ」など17頭が死亡し、魚類や無脊椎動物は1300匹余りが水槽内で死亡していると地元ニュースでも伝えられている。※2018/4/2 和歌山放送局ニュース「供養祭」よりhttps://wbs.co.jp/news/2018/04/02/117159.html また、過去5年間では、スジイルカやシワハイルカ、マダライルカなどのイルカやくじらが46頭も死亡している。

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一通りLIAが撮影記録してきたイルカ猟の映像を見て、生徒からの質問が相次いだ。

「こうしたイルカを助けることはできないんですか?」

「なぜこの仕事をわざわざ選ぶ人がいるんですか?」

「これは日本の政府が認めているんですか?」

「動物虐待じゃないんですか?」

「どうしたらこうしたことを止めることができるんですか?」

「私たちにできることはなんですか?」

小学生からの質疑応答は設定された時間をオーバーしてしまうほど白熱していた。

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その後、「絶滅危惧種の問題」「動物実験やひどい扱いを受ける動物」「森林伐採や違法売買」それぞれが調査するグループごとに分かれ、質疑応答の時間が持たれた。

今回は小学生からのリクエストで、「イルカ・くじらの問題」主にフォーカスを当てた授業になったのだが、私たちの日常に溶け込んでいる動物園もまた、こうした一連の捕獲劇のように、野生の動物が同じようにハンターにより捕獲され、売買され、世界中に売られている。

日本のペットショップに並ぶ動物たちも同様、物言えぬ動物を金に変え、ビジネスにしているという現実は、ありとあらゆるシーンで私たちの生活に日常的にあふれている。近年日本でも、やっとのことで、動物愛護に対する意識が高まっているが、動物愛護法もまだまだ時代に追いついていないのが現状だ。

「かわいい」「癒される」「飼いたい」のその先.........................

犬猫に限らず、人間に利用され続け、絶滅している動物たちは日本でも観測を始めてからだけでも125種にのぼる。世界中では毎日100種ほどが人間生活の犠牲になり、絶滅しているという報告もある。また、カナダのダルハウジー大学をはじめとする国際研究チームが2006年11月。アメリカの科学誌「サイエンス」に「漁業による乱獲と環境汚染による生態系の破壊が続き、2048年までに、魚介類のほとんどが地球上から姿を消すと発表した。このほかにも、海洋ゴミとなった漁具に絡まって死亡するウミガメやあざらし、プラスチックゴミの問題など様々な問題があることなどが今回のA-JISでの授業で伝えられた。

現実に向き合う子供達。未来を変えてゆくのはこうした子ども達であることは間違いない。

大人たちがどこかで「もう仕方のないことだ」と諦めている部分がある中で、時代とともに様々なことが変わっている現実もある。動物を使用したサーカスにも批判が高まり、いまでは昔ほどの人気もなくなっていたり、かつて富の象徴であったゴージャスな毛皮も、いまでは批判の対象だ。

ペットとよばれる愛玩動物たちも人間が勝手に「愛玩」などとつけているが、動物たちにそんな言葉はまったく関係がない。

「かわいいね、癒されるね、飼いたいね!」

私たちは命を目の前にして、日常でこんな言葉を口にしてはいないだろうか?

いまと昔では「知る」ということがまったく違う。

「知らぬは恥」

「無知は罪」

2018年、本年は5年に一度の法改正の年。時代にあった「動物愛護法改正」になってほしいと願う。そして、私たち一人ひとりの意識の改革と、最先端の探求を行う子ども達の今後の活躍に期待したい。

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※東京犬猫日和では、今後もこうした子ども達への「命の授業」にフォーカスをあて、皆様にお伝えできればと思っております。

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取材協力

Aoba Japan International School(A-JIS) https://japaninternationalschool.com

国際NGO Life Investigation Agency (LIA) http://ngo-lia.org/jp_charity.html

※LIAはNGO団体であり、すべての活動は支援者様からのご寄付により行われております。

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東京犬猫日和

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Photo :LIA &東京犬猫日和

Writer:Emi.S

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