夢の国で起きた鳩駆除〜子供達の目の前で〜

2017年10月17日火曜日。朝から雨が降る中、Autumn Break中の娘を連れてディズニーシーへ。筆者の娘は7歳女児。二学期制の学校に通っているため、毎年秋に1週間ほどの休暇があり、平日のこの日、私自身も休暇を取って早朝から出かけた。

あいにくの雨だったが、カッパを着て午前中園内をぐるり。正午を過ぎ、比較的空いている店舗を探して昼休憩を取ることに。

アメリカンウォーターフロントにある「ケープコッド・クックオフ」は出入り口が左右に分かれており、入り口正面右手のダッフィーのショーを鑑賞しながら飲食できるエリアと、左手の飲食だけ行うスペースが提供されているエリアに分かれている。

屋内ながらドアが開放され気軽に入れるハンバーガーショップで、ショーを観ないエリアは席の確保もしやすい。商品を購入し、座席に座りホッとしていた時、「キャー」という声が。見ると、黒い服装の男性が網を使って店内にいた鳩を捕獲していたのだ。

網をバッとかけたときに驚いた客が声をあげた。

黒い服装の男性は網で一羽の鳩をとらえると履いていた革靴で鳩を踏んで固定しながらブリーフケースのようなカバンの中をゴソゴソ。

日頃から動物が大好きな娘も、この状況を見て、飲んでいたジュースをテーブルに置き、「怖い怖い」と言い始めた。白昼堂々、家族連れが飲食をしている中での突然の捕獲劇。他にも周囲にいた人たちが、「えーなに?」「鳩がかわいそう」「怖い」「鳩さんどうなっちゃうのかな」と声をあげた。

それもそのはず、男性は鳩をただ網で捕獲するだけではなく、硬そうな革靴で何度も鳩を踏みつけていて時折ばたつく鳩が羽を広げなければならないほど押し潰されたりしていたのだそれを見たら子供達が怖い、かわいそうというのは当然で、私も一瞬、動揺してしまったのだが、状況証拠を撮っておかねばと、慌てて写真を自身のiphoneで撮影した。娘は見るに見かねたのか、捕獲作業中の男性に「その鳩、どうするんですか?」と声をかけた。

男性は「これは違う場所に連れて行って放しますよ。」と鳩を踏んだまま笑顔で答えたが、娘の顔は曇ったままだ。「ママ...本当かな ぺしゃんこに踏まれてるよね、怪我してないかな、かわいそう。」

男性が鳩を白い紙のようなものに包み、カバンに鳩をしまうとさっと店内を後に。

たった一羽の鳩を捕獲しただけで去っていく男性の後には、次から次へと他の鳩が床を歩いていた。一羽をゲストの前で駆除する行為は何の意味があったのだろうかと考えてしまった。

「ケープコッド・クックオフ」は店舗の出入り口が開放されており、屋内レストランといってもスタッフはセルフサービスの食器を片付けるのみで、出入り口にたっているわけでもなく、人だけでなく、スズメや鳩も自由に入れるのだ。

飲食スペースに於いて、鳩を「外に追い出す」という行為には一定の理解を示したいのだが、理解し難いのは、このドアの開放された飲食店内で、昼時、家族連れが一番多く出入りする時間帯にこうした捕獲劇が子供の前で行われたことだ。夢の国であるディズニーらしくないではないか。

iphoneの写真情報には撮影時刻が記録されているので、改めて嘘のないようにお伝えすると、撮影時刻は12時51分となっていた。

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■夢の国ディズニーらしくない子供の前での「鳩の捕獲劇」

ディズニーランド、ディズニーシー共に、鳩やスズメといった鳥がたくさんいるのに園内はスタッフの清掃が行き届いており、糞も見ることはほぼない。それらは「都市伝説」になるほどで、「鳥への妨害音波」をだしているのではないか、などと、たびたび噂になることもあったが、多くが「スタッフの清掃のおかげ」というところに落ち着いていたように思える。しかし、今回私自身がたまたま目撃してしまった「リアルな鳩の駆除現場」は白昼堂々、ゲストの目の前で行われてしまった。

■鳩の駆除について

今回駆除されていた鳩は「土鳩(ドバト)」。鳩の駆除は「鳥獣保護法」により、個人が許可なく鳩を駆除することは処罰の対象になり注意が必要。この法律は、環境省によって定められ、鳥獣の保護または狩猟の適正化を行うことで、生物の生活環境の保全、生物の多様性の確保を行うことを目的とされており、これらの生物が人間に対して様々な被害を及ぼすからといって、容易に捕獲・駆除することはできず、鳥獣保護法の規定に則って狩猟・捕獲をしなければらない。ディズニーシー内で行われた鳩駆除に関しては、ディズニー及び、店舗運営会社の依頼により、「認定鳥獣捕獲等事業者」が行っていたものと思われるのだが、駆除業者であっても、意図的な衰弱させる行為や過度な威嚇行為を行った場合、直接的に傷を付ける結果に至らない場合でも違法行為になってしまう可能性がある。

※千葉県での野生鳥獣の捕獲について→https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/choujuu/yasei-...

■ディズニーの対応は?

上記の鳩駆除に対しての知識を踏まえた上で、翌日、ディズニーの総合相談窓口から電話で10月17日の子供の目の前で行われた鳩駆除に対しての相談を行った。話を一通り簡単に伝えるとコールセンターから更に相談窓口の男性に電話を回された。担当は年配の男性だ。

ーー飲食する人が多い時間帯に、子供の目の前で鳩駆除がおこなわれていましたが。

「それは大変申し訳ないこと、あってはならないことで、動物保護団体に知れたら大変、訴えられても仕方ない案件です。」

ーー鳩駆除は実際、ディズニーで行われているのでしょうか

「飲食部分での鳩の駆除は、鳩の羽が不衛生ですので...。」

ーー鳩駆除が行われていた「ケープコッド・クックオフ」はそもそもドアが開放されているのですから、鳩が入ってきてしまうのは仕方ないのではないでしょうか。わざわざ駆除業者に駆除させるのではなく、ドアを閉めるという対策をしてから鳩を外に逃がすという方法にすれば済む話ではないでしょうか。

「「ケープコッド・クックオフ」はお客様に気軽に入っていただけるようにと、集客目的もあり、ドアが開放されています。「Open and Respectful」という言葉がありまして、お客様にオープンでありたいという気持ちもありまして...ドアを閉めるということは考えておりません。」

ーー他の店舗ではドアを閉めている店舗もあり、そちらには鳩が入っていませんよね。

「そうですね...」

ーー今後も鳩の駆除は行われるのでしょうか?

「店舗側にも業者にも改善を求めるように指導いたします。」

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以上のようなやり取りを電話で行った。(一部抜粋)

年配男性が話した「Open and Respectful」とは一流企業が理念に掲げている「オープンで、相手に敬意を表すること」だと思うのだが、使う場所を間違っているような。一連の電話対応で感じたことだが、焦燥感もみられたので、対応の言葉にもふわふわした印象を受けた。

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会話の中で、駆除された鳩がその後、無事に放鳥されたとの情報も得られず、「委託業者の責任」という突き放した対応にも胸が痛む。実際に有害鳥獣の駆除は厳しく制限され、その後の処遇も明記されるのだが、業者任せでは「ディズニーは無関係」と切り捨てができる。しかしながら、ディズニー及び店舗運営会社が、駆除許可を出しているのだから、鳩駆除業者を敷地内に入れることは、企業側が把握していなければできないこと。鳩駆除の時間帯、場所も開園時間に行われていることから、ディズニーは無関係とは言い切れない。委託業者も頼まれなければディズニーに入園することすらできないはずだ。

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最後に電話対応の男性に、ここだけは強く「今後ディズニーとしては公式に鳩対策を公表することはしない」「個別対応のみで対応する」と言われ、娘への気使いもなく、夢の国らしからぬ対応に残念な気持ちになったことはいうまでもない。

今回駆除された鳩の捕獲方法が最善のものなのか、傷つかずに放鳥されたのか確かめようもないのが残念だが、そもそも飲食スペースに鳩がいることが衛生的に問題があることがわかっているのであれば、スタッフが出入り口を常時監視する、もしくは、ドアを閉じたらよいだけではないだろうか。駆除以外の方法は他にあるように感じる。

日本でも動物愛護法改正がすすみ、「動物愛護」の観点も大きく変わっている中での出来事。ディズニーでは主役であるマスコットも含め、映画やキャラクターで多くの動物を扱っている以上、「ディズニーの世界観」を損なうことだけはしてほしくないものである。

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東京犬猫日和

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