〜Hawaiian Humane Society 2017年レポート〜

2015年より毎年レポートしているハワイアンヒューメインソサイエティに2017年6月、今年も再訪してまいりました。

こちらの動物福祉施設は、創立1897年、120年の歴史ある施設。「動物の虐待法を実施する権限」を与えられており、迷子や飼育放棄などで行き場のないペットや虐待などから動物を救い出し、一時的に保護し、ゆっくりと新しい生活の場所がみつかるまでサポートします。

また、オープンアドミッションシェルターに置き去りにされた動物たちを一頭たりとも拒絶しない)の方針で、毎日最大で65頭までの動物が新しく入所できるようにしてあるそうです。

アメリカでは「ヒューメインソサイエティ(人間らしく思いやりのある社会)」という名称が使われる動物福祉団体が多く見受けられますが、この、「Humane(ヒューメイン)」という言葉は、人間を意味する「Human(ヒューマン)」を語源とし、「Humaneヒューメイン」は苦しんでいる人や動物に対して人情・思いやり、慈悲深い、(与える)苦痛を最小限にするなどの意味があり、他の動物の苦しみや痛みを想像することやそれらを取り除く事ができるのも「人間だからこそできる」という、とても深い意味を持っているようです。

ハワイアンヒューメインソサイエティの収容動物達の世話は、約1千人を超える登録ボランティアで成り立っており、常勤スタッフは70人。

訪問した日は、ちょうど夏休みに入っているためか、多くの学生が積極的にボランティアに参加しており、訪問者への対応も丁寧に行っていました。

この女性は15歳の学生ボランティア。抱いているのは保護されたチンチラ。(ボランティア登録は15歳から可能)希望すれば、指導のもと、触れることができます。

小型犬エリアでケアを行う学生ボランティア。掃除や散歩だけではなく、心のサポートも必要としている動物達に寄り添うことも大切。収容されているはずの多くの犬たちの吠え声はほどんどなく、静かで清潔な空間が保たれていました。

施設内には犬・猫と小動物がおり、犬は「小型犬」と「子犬のエリア」、「中・大型犬のエリア」に分かれています。1匹1匹それぞれの状態に合わせた収容で、犬たちは安心して穏やかに過ごすことができるようになっています。

▲収容されている犬たちはみな自宅の庭にでもいるような感じで穏やかに見えます。

収容された動物達のゲージには入舎日・年齢・動物の種類・性別・心理状態・名前・毛色・避妊又は去勢済み等が判るようにカードが付けられていて、譲渡対象の犬・猫、うさぎ、モルモットたちは避妊・去勢手術を受け、全ての動物に管理番号が付けられており、ワクチン、寄生虫等の検査及び診察を受けてから譲渡されます。

https://www.hawaiianhumane.org/spayneuter/

どの収容スペースも注意書きが必ず掲示されており、高さも十分な2重扉も徹底。こちらは中・大型犬エリアの入口部分。

中に入ると、お昼寝中のモカ君と目が合いました。ゲージで静かに寝ている犬に、呼びかけたりする人もおらず、来訪者はただただ、静かに犬たちの様子を見ていたのが印象的です。

▲こちらはボランティアの女性。

譲渡を希望する人が動物と面会することができる中庭は、散歩をすることもできます。この犬はつい先ほどまで犬舎にいた子ですが、熱心に見学していたご家族が散歩をしていました。

緑豊かな場所なので公園のような光景です。

▼そして、こちらは猫舎。犬舎とは少し離れた場所にあります。

訪問者はだれでも入ることができますが、猫に触れることのできる部屋には、入る人数が2名〜4名と部屋の大きさにより決められており、猫の負担が最小限に抑えられるようになっているのもいいですね。

来訪時、収容されている猫は数が少なく、2頭のみが譲渡対象として触れ合うことができました。

▲こちらは3週間トライアルを行った雑種の子犬を家族に迎えるということで、シェルターにやってきた女性。受付で譲渡金を支払っていたところでした。こちらでの、譲渡費用ですが、通常は犬猫とも75ドル、ホリデースペシャルの日は、里親費は10ドル、ライセンス登録料などの諸経費を足して+25ドルほどで家族として迎える事が出来るそうです。

カウンターの横には狭いながらもリードやおもちゃ、フードなどの販売ペースがあります。ここらでの物販は、例えば、「ペットフードを販売する代わりに、シェルターの動物達の全てのフードがフードメーカーから寄付される」といったシステムが採られています。

収容されている動物たちに必要な支援の確保もまたシェルターの役割ですね。

「ALL Pets Need VEts....」すべてのペットには獣医(医療)が必要ですと書かれている掲示物。

「動物福祉」についても様々な考え方がありますが、(宗教観などにもよる)アメリカの多くのシェルターでは譲渡前に、病気予防や不幸なホームレスのペットを増やさないために避妊去勢が施されているそうです。

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実は昨年、10月に他の保護施設で虐待されていた270頭の犬たちをレスキュー、世話をするためのリソースを確保する目的で2016年12月28日、ハワイアンヒューメインソサエティが「シェルターを空にしよう」4日間のキャンペーンを発表。元日より前にペットを迎えるには手数料が全額免除というものだったのですが、12月29日、施設で譲渡対象になっていた動物全てを送り出すことに成功しました。ハワイアンヒューメインソサイエティ史上初のことだそうです。

(※但し、翌30日になると15頭の動物がシェルターに連れてこられた。しかし、当日中に3頭を残して全部引き取り手が現れたそうです。)

素晴らしい動物福祉施設、活動がある一方で、小さな島ハワイでも様々な問題からここに収容される動物は後をたちません。「遺棄・虐待する人」が1897年から「120年」消えていない、という現実をも、私たちは知らなければならないでしょう。

遺棄・虐待するのも人間。救うことができるのもまた人間。

私たちは、シェルターを空にし、「動物たちを保護しなくても済む環境」に、いつになったらなるのでしょうか。

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東京犬猫日和

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TEL:(808)946-2187

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