「小さいことでもやっていこう!! 小さな声でも上げていこう!!」〜Animal Rock Support〜

「生体販売を行わないペットショップ」を経営しながら、全国各地の保護施設の支援などを行う団体をたちあげた小山田夫妻。バンドマンの小山田悟さんが、長年にわたるバンド活動を休止し、トリマーの奥様と二人、中野区に9坪ほどのトリミング&ペットホテル専門店を立ち上げたのは10年前。

トリミング&ペットホテル専門店としてオープンした当時、周辺に大きなホームセンターなどもなく、たまたま近所にあったペットフード店が閉店してしまったため、お客様から「ペットフードやシーツなど、ペット用品を置いて欲しい。」と頼まれたことが切っ掛けで、ペット用品も取り扱うようになった。要望に応えるうちに商品が増え、店舗は少々手狭になってしまったそう。取材当日、店舗を訪れると、次から次へと常連のお客様がペット用品の購入やトリミングに訪れた。

お客様がいらっしゃると、「どーもー!いらっしゃいませ!!」と、大きな体でお店から道路に出てきて接客する小山田さんの姿があった。

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ーお忙しい中、取材をお受けくださいましてありがとうございました。

小山田さんが「GREST」(Hardcore/PopPunk/Punk)として、音楽活動でも殺処分ゼロを目指して、動物たちの支援をしようと、「Animal Rock Support」を立ち上げた切っ掛けを教えてください。ー

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小山田:話せば長いんですが(笑)いいですか?ちょっと昔の話になるのですが....。

僕が小学校の頃、家で飼っていた犬が逃げて帰ってこなかったことがありまして、探したけどいない。それで保健所に行ったら収容されていたんです。犬が見つかってよかったという安堵感も一瞬あったのですが、それ以上に他に収容されている犬たちが、ワンワンキャンキャン檻に飛びつきながら、悲痛な声で鳴いている姿を見てしまい、それが頭から離れなくて...「保健所は怖い場所」と幼心に強く印象に残ったんです。でも小さな頃は何もできなかった。

それから、僕が中学生の頃、通っていた塾の先生からギターを教わり、セックス・ピストルズなどに影響を受けてバンドブームが来るか来ないかくらいの時期に、バンド活動をはじめたのですが、当時同棲していた彼女が野良猫を拾ってきては部屋に連れてきて、でも恥ずかしい話、この頃は本当にお金がなかったので、保護した猫たちに避妊去勢手術ができず、子供が産まれてしまって、それで産まれた子猫や保護した猫たちを周りの友人知人バンド仲間などに里親になってもらったりと、その時、自分のできる限りの事をしていました。

それから30代になり、トリマーだった奥様と知り合い、そろそろバンド活動をやめて真面目に働いてお店を出そうかと、二人でコツコツお金を貯めて、2007年、生体販売は一切行わないアニマルサロンチェリーをこの場所(中野)にオープンしました。本当は三宿あたりでお店を出したかったのですが、予算が足りなかったのでここに。

お店をオープンすると、続々と長年のバンド仲間やかつて里親になってくれた友人たちが足を運んでくれました。本当にありがたかったです。その中の一人が、僕たちバンドマンのカリスマであるBRAHMANのTOSHI-LOW。

▲トレーニング中、お店に立ち寄ってくれたTOSHI-LOW。優しい!!

小山田: TOSHI-LOWは、バンド活動をやめて10年、仕事に励んでいた僕にさりげなく「バンドマンはやっぱりバンドだろう」といつも声をかけてくれて(笑)いつも心を揺さぶられていました(笑)。

それから2011年、東関東大震災がありました。その時、いち早く、僕の周りのバンド仲間が次々と支援に乗り出したんです。その影響もあり、「自分にできる事は何だろう」って考えた時、僕は結局、店のこともあるし、実際にお手伝いには行くことがなかなか難しいので、ライブ会場に来るお客さんなどに直接ステージから呼びかけるのが一番早いなと思い、2013年、バンド活動を再開。「Animal Rock Support」を立ち上げました。

このAnimal Rock Supportでは、ライブ会場などで、チャリティーグッズ販売や寄付を呼びかけまして、集まったお金は全額、実際にシェルター運営や保護活動を行っている団体に支援物資として届けることにしました。困っている団体を見つければ、里親の呼びかけや、物資で応援することを自分たちの出来る範囲で継続しています。

▲左:小山田さん 右:まーてぃこと、小山田さんの奥様

▲お店の看板犬「チャンメ」くんもAnimal Rock Supportの一員!

小山田:そして、2016年熊本地震では、この活動に賛同してくれる仲間とともに、すばやく必要な支援物資を現地に運ぶことができました。仲間がしているリストバンドもチャリティ商品。みんなで一致団結して熊本でのボランティア活動も行いました。

▲物流が混乱する中、元GRESTスタッフの加藤君が陸路で熊本へ。「ドッグレスキュー熊本」代表生松さんと。

▲「Animal Rock Support」に賛同してくれているライブイベント「プロペラ」主宰、支援活動「プロペラ団」代表。関西お手伝いマン「プロペラ団」の優さんもシャンプーボランティアとして熊本で力を貸してくれた仲間だ。

小山田:20年、30年来の友人と、ロックを通じて、音楽を通じて、声をかけることで、みんなで動物のサポートができたことはとても嬉しいことでした。

自分のできることは限られていますが、「小さいことでもやっていこう!! 小さな声でも上げていこう!!」この活動で、家族がいない動物がいなくなるその日まで、動物と人間が仲良く暮らせるその日まで、活動を続けていきたいと思っています。

先日、原宿クロコダイルで「Knockin'on the NEXT DOOR vol.9」では加藤登紀子さんやロッカー弁護士の島キクジロウさんとステージでセッションしました。音楽活動によって多くの方々に出会う機会があること。ライブなど人がたくさん集まる場所で宣伝すれば、より多くの方々に知ってもらえますし、音楽仲間も多いので、みんなに協力してもらえれば、より広く認知されていくのではないでしょうか。

小山田:一人でも多くの人に届くことで、それぞれ一人一人が「自分にやれることを本気でやっていってほしい」なと思います。

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ー本業の仕事をしながら「チャリティー活動」。すぐに駆けつけられない分、収益は全額支援物資にかえて寄付を行う「Animal Rock Support」は活動開始から4年目。保護団体に、お金を渡すだけではない支援を行い、継続し続ける小山田さんご夫妻の周りには、数十年来の友人、バンド仲間、近隣住民と音楽と動物を通じて多くの仲間が集まる。

一人一人できることは違うけれど、「できることを本気でやろう!」小山田さんの言葉が強く印象に残りました。

自分には何ができる?それは足元から。自分の家族であるペットを守ること、生涯大切に責任を持つことも「できること」の1つ。何もできないと思わず、何か本気でやってみよう。それがまず第一歩。ー

東京犬猫日和

※記事掲載の写真は東京犬猫日和及び協力者の許可を得て掲載しており無断転載を禁じます。

Writer:Emi Sekiguchi

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Animal Rock Support HP:

http://ars-zero.com

Animal Rock Support FB:

https://www.facebook.com/animal.rock.support/?ref=...

アニマルサロン チェリー

東京都中野区弥生町4-21-1 ロインM1F・2F
電話:03-3380-6220 (火曜定休日)

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