明るくオープンなシェルター〜ハワイアンヒューマンソサイエティ

ハワイ、オアフ島にあるハワイアンヒューマンソサイエティは"人間と動物と良好な関係を保つために様々な活動"を行っている、創立1897年、119年の歴史を持つ非営利団体です。

先日、8月7日、こちらのシェルターを訪れてまいりました。

駐車場完備。ワイキキ方面から車で約20分前後でしょうか。

常勤スタッフ70人に、なんと1千人を超すボランティアさんが参加しているそうです。

訪問者の施設への出入りは自由!

今週の譲渡数132頭、月491頭、年間4,230頭。

ボランティアには学生さんたちも多く含まれ、訪れた際に犬たちの散歩や説明、お世話をしていたのは15歳の少年少女でした。

こちらの少女は犬舎から犬を出し、1匹ずつ、お散歩に連れ出していました。

いつどんなボランティアさんがきても、お世話を任せてもらえるというのは、とてもいいことですね。情報共有もできているということでしょう。

ハワイにいる野良犬、捨て猫、迷子の動物、全てがこちらのシェルターに運ばれ、飼い主探しが行われています。非営利団体ということですが、日本でいう保健所や動物愛護センターの役割を担っているようですね。

こちらで保護された犬猫は、飼い主が探しに来ることもあります。そして飼い主が探しに来ない場合、遺棄された子たちは新しい家族ができるまでこのシェルターで暮らすそうです。

譲渡活動はこのシェルターだけではなく、近隣のペットショップとも協力し合い、ペットショップ内に譲渡コーナーが設置され、そこでも新しい家族を見つける機会を設けているそうです。

明るい清潔な空間に、犬、猫、亀、モルモット、ハムスターと多くの動物たちがいます。

訪れた日は日曜日、休日ということもあり、多くの人で賑わっていました。来訪に特に予約もいらず、とても開放的な空間です。

驚いたのはシェルターの周辺もシェルター内も、動物の匂いが一切しなかったことです

常に清潔な空間が保たれ、糞尿の始末が素早く行われているからでしょう。

1匹1匹の空間も奥に大きく取られ、それぞれがのんびり、おもちゃで遊んだり奥のベッドで寝ていたり、訪問する人に愛想を振りまいていたりしました。

それぞれの犬舎には情報が掲示されていて訪れる人がすぐにこの子がどういう子であるかわかるようになっています。

ピットブル系の犬が多い印象ですが、どの子もメディカルチェックを受け、スタッフやボランティアさんとの散歩時間があり、犬への質問にもスタッフは親切に答えてくれました。里親希望ではなくても、触れ合いを求めて訪れる人は多いそうです。

ここにきた動物たちは、殺されることはなく、運営は寄付などで成り立っているそうです。

猫舎は犬舎とは違う場所にあります。こちらもまた匂いが一切しません!

常にスタッフがトイレの掃除、猫のお世話をしていて、とてもいい状態が保たれていました。

現在一部が工事中でしたが、このシェルターには無料のドッグランがあるため、近隣住民も普段から、気軽に立ち寄れる”公園”のような雰囲気。

"動物保護施設"というのを一瞬忘れてしまうような明るく温かな空間に、日本の保護施設との違いを感じました。

▲この子を家族に迎えたいという方が、スタッフに相談を行っていました。

実際、自宅に連れて帰り、トライアルもできます。先住犬猫や家族との相性、関係も重要ですし、施設で見たときと自宅とでは違う、ということもありますので、もし、ご家庭に合わなければ施設に戻すこともできます。無理をしない譲渡は大切です。

▲シェルターに自分の飼い犬と遊びに来ていた男性。

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日本の「保健所」や民間の「動物保護施設」というと、

・閉鎖された空間

・処分場が併設されていることもあるためか、重い空気感

・誰でも気軽に立ち寄れるような雰囲気ではない

という印象があります。(ボランティアをするのも受付すら行っていない保健所は多い。)

民間の一部の保護団体に至っては、訪問には要予約、要相談、住所非公開(保護施設が個人宅だったり、犬や猫が捨てられるのを防止する目的とのことですが)、HPやFBなどで公開されている活動内容、情報とは全く異なり、排泄物の掃除もままならない不衛生なシェルターもあったり、譲渡の際にも、医療費をかけることができないからか、犬猫の状態を把握せず、医療もかけず、保護時の状態まま、新しい里親希望者に犬猫を受け渡したり、希望した犬がトライアルでうまくいかず、返還した際、保護活動者が、新しい里親希望者を罵倒するといった、悪質なトラブルもあるそうです。

もちろん、悪いことばかりではありません。

日本でも、保健所や民間の動物保護活動の中で、最新の動物福祉をふんだんに取り入れ、本当に素晴らしい活動を行っている保護施設もあります。しかしながら、まだ全てが「オープンに」とはいかないところが多いようです。

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「良い」「悪い」というのは、それぞれの価値観や判断基準により、大きく異なるようなので、保健所や動物保護団体を判断するときには、なによりも、実際に施設に足を運び、その施設にいる代表者だけの話ではなく、実際にそこにいるスタッフ、ボランティアさんに話を聞き、ご自分の目で見ることはとても大切だと思います。

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日本で「殺処分ゼロ」運動が高まり処分を行わない保健所が増えてきたものの、そのしわ寄せは民間の保護施設に移動しているのが現状です。

そして現在、一部の保護団体は崩壊にまで至っているのは※先日のレポートでもお伝えした通りです。※(3)動物保護施設で一体何が… 社会問題 /兵庫県

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「殺処分ゼロの先」

現時点で日本では、譲渡ができなかった、保護施設に溢れかえった動物たちを「生かす」という大きな課題には、フォーカスが当てられていないのは大きな問題です。

少子高齢化社会、人口も減っていき、犬猫を生涯飼育できる環境にいる人が、今後確実に「減っていく」という先細りのペット業界において、繁殖業者による生産は規制が緩く、保健所も殺処分せず、飼い主は高齢、病気、貧困により犬猫を遺棄する人が増加、愛情を受けられずただただ、保護施設などで、生きていかなければならない動物たちをどうするか、そうした「殺処分ゼロから先」の話題に切り込んでいく著名人、関係者は非常に少ないようです。

殺処分ゼロと叫ぶ前に、繁殖という蛇口を規制する、それをまず行おう!

と具体的な話にまで進まない理由は何なのでしょうか。

巨大産業と化してしまった動物業界。

それは、間違いなく国民一人一人が育ててきました。

そしてどの国も、動物虐待や飼育放棄、悪質なパピーミルなど、少なからず、同じ問題を抱えています....

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ハワイアンソサイエティでの、譲渡費用ですが、通常は犬猫とも75ドル、ホリデースペシャルの日は、里親費は10ドル、ライセンス登録料などの諸経費を足して+25ドルほどで家族として迎える事が出来るそうです。

ハワイに観光で訪れる日本人は多いはず。ぜひ一度、少し足を伸ばして、ワイキキ方面からはそう遠くない距離にありますのでタクシーを利用したりして、訪れてみてください。

Hawaiiann Humane Society

2700 Waialae Ave HONOLULU .HI 96826

TEL:(808)946-2187

月~金11時~午後19時 , 土日10時~午後16時

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